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『星々の悲しみ』    [読書 本]




悔いを残したくないと思っている。
しかし、悔いが残るためには、やりたいことがなければならない。
それが果たせない時に悔いるわけだから、で、オレのやりたいことって、何よ。



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大学時代、文学部の卒論でお世話になった教授からの年賀状には、今年もいつもながらの長い手書き文章があった。「小生、今年喜寿を迎えます」で始まり、縦書きがスペースを失いナメクジのように進路を横に変えて、「・・・たように、自伝めいたものを書いておいた方がよいと思うがどうだろうか?」と結ばれていた。

1月からずっと気になっていて、「前へ」が主軸の前向き人生を歩む私が、ずっと今までのことをあれこれ考えるようになってしまっている。考えるだけで、恥ずかしくて、懺悔だらけで、いたたまれなくて、もう既に、怯えるだけのおっさんになってしまっている。そういう隙間の出来た心に、青春だとか恋愛がテーマの作品が、入り込んでくるようになってしまった。自身の、守りの弱さを感じている。






『星々の悲しみ』 宮本輝/文春文庫 (2008年 8月10日 新装版第一刷)
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p17
ぼくはぼんやりと、薄暗い部屋を囲むようにしてきちんと並べられている夥しい数の書物を眺めた。これらの本を、たとえすべて読破したからといって、希望する大学に入れるわけではないのだという考えが、ほんの少しのあいだ、ぼくに強い不安感をもたらした。頬杖をついて、ガラス窓越しに黒い雲が拡がったり縮んだりするさまを見ていた。大学にさえ入ってしまえば、本を読むことも女の子を口説いてみることも、気が変になるくらい勉強してみることも自由なのだと思うと、またいっそう腹立たしくなってきた。






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宮本輝の短編集を読んだのだが、全てに物足りなさを感じた。人物を描くのが上手な作家だと思うのだが、短編にしておくのが勿体ない。せめて連作短編にでもなっていれば、もっと違う楽しみが出来たのだけど、仕方がない。暫く宮本輝は休んで、違う作家に移る。大型長編が届いたから、そちらに心が転移してしまった。




少しだけ地味な生活が始まりました。というか、単調な生活。学生時代に戻ったような。


ファイト!






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コメント 2

hatumi30331

いくつになっても・・・・・
感じる、と言う人間の心に年齢はなく・・・・
その時々に感じた気持ちを大切にしていきたいね。

私だって、未だに青春もの、恋愛物、大好き!
他も・・・・好奇心がある限り・・・・
無理のない程度に楽しみたいと思います。^^
by hatumi30331 (2016-04-21 07:50) 

あるいる

「前へ」が主軸なのに、ときには立ち止まったり振り返ったり思い返したり不思議な感覚に陥ってしまうコトがありますよ。
熱中できる集中できる仕事がなくなってしまった影響でしょうか。
いくつになっても初めての経験というのは想像を超えてしまうところがあるのかもしれません。
守りの弱さではなく、青春や恋愛の揺れ動くこころが響いてしまう本来の繊細なこころの部分が顔を覗かせたのかもしれません。
厄介な奴らかもしれませんが、それもまた楽し、ですよ。
そんなこんなもぜんぶ含めての初体験、歳を重ねるのもなかなか面白いものかもしれないと思ってしまいました。
話しは飛んで、一枚目の写真。
どこかで見たコトのある店名のロゴだと眺めていたら大阪にあるこの店の前をよく通っていました。
僕にはまったくご縁のない店、この店の商品を使う初体験はおそらく、いえ、きっとこれから先もないでしょう。
恋愛小説も青春小説も今でも大好きな僕です。
過去の追体験でしょうか。
そんなアホな、です。

by あるいる (2016-04-21 16:20) 

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