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『恋しくて―TEN SELECTED LOVE STORIES』   [村上春樹]




夏旅課題図書2
『恋しくて―TEN SELECTED LOVE STORIES』編訳・村上春樹/中央公論新社
(2013年9月10日 初版発行)

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図書紹介のコーナーに立て掛けてあった。表紙が、おそらく竹久夢二であろう。絵は「黒船屋」のクローズアップ。惹かれないわけがありません。腰巻きには、「村上春樹が選んで訳した世界のラブ・ストーリー+書き下ろし短編小説」とあり、楽しませてもらうことにした。また、訳者紹介の所では、「村上春樹  1949年生まれ。翻訳家として・・・(7行近く翻訳作品を並べ)・・。」そのあと最後に、「時に小説も書く。」と結んでいる。お洒落な紹介だと思った。

恋の遍歴が多かった純情可憐少年の私にとっては、う~ん、ちょっとねぇ、と思う作品が多かった。しかし、『愛し合う二人に代わって』(マイリー・メロイ)という作品は、瑞々しくて良かったように思う。作家の年齢が若いほど、好感が持てる作品だったように思う。手練手管というか、駆け引きの見える恋は、好みじゃない。ある意味で、東野圭吾作品でエピソードとして入ってくる幼い恋心には、共感してしまう所があり、そちらへの傾斜が最近の悪影響だろうか。

それぞれの作品のあとに、「恋愛甘苦度」というのが付いていて、作品内の恋愛の評と、「甘味」「苦味」がそれぞれ星の数で評価されていて、ユニークだった。この評価を読むために、本編を読んでいた。「訳者あとがき」での説明を、下に写す。さらに彼の恋愛観も書写する。

甘みは恋愛における明るくメローな展望や希望、苦みはそれを地べたに引き戻す負の力や運命。チョコレートの場合と同じく、甘みと苦みの配合度を表示した。

たしかにいろいろと大変ではあるのだけれど、人を恋する気持ちというのは、けっこう長持ちするのである。それがかなり昔に起こったことであっても、つい昨日のことのようにありありと思い出せたりもする。そしてそのような心持ちの記憶は、時として冷え冷えとする我々の人生を、暗がりの中のたき火のようにほんのりと温めてくれたりもする。そういう意味でも、恋愛というのはできるうちにせっせとしておいた方が良いのかもしれない。大変かもしれないけれど、そういう苦労をするだけの価値は十分あるような気がする。




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ファイト! 97

コメント 4

cafelamama

村上春樹の恋愛小説アンソロジーなら、読んでみたくなりますね。
この人は、フィッツジェラルドやカポーティ、サリンジャーなんかの翻訳を出していますが、特に恋愛小説なら、私としてはアーウィン・ショーをぜひ訳して欲しいと思っています。
アーウィン・ショーは常盤新平の訳が素晴らしいけど、村上春樹にはちょっと感傷的すぎるのかな。
>、時として冷え冷えとする我々の人生を、暗がりの中のたき火のようにほんのりと温めてくれたりもする。
村上春樹の比喩の表現に、20代の頃の私は魅了されていました。
「その年の夏、僕たちは25mプール1杯分のビールを飲み干した」
「私は泥のように眠った」
憶えている比喩だけでも、かなりあります。
by cafelamama (2014-08-19 06:46) 

hatumi30331

生涯青春!
貫きましょう〜〜〜♪^^
by hatumi30331 (2014-08-19 07:15) 

JUNKO

久しぶりにこういう本を読んでみようかという気持ちになりました。ご紹介感謝です。
by JUNKO (2014-08-19 10:51) 

あるいる

近頃、恋愛小説からは遠ざかっています。
夏の暑い夜にはミステリーのほうが手に取りやすいです。
秋風が吹き始める頃には読んでみたいと思いますので、さっそくメモさせていただきました。
話しは変って映画「夫婦善哉」のラストシーン。
法善寺横丁の夫婦善哉を出ると雪が舞っていました。
「頼りにしてまっせ」と蝶子にボソっと語り、肩に降りかかる雪を払ってやる柳吉。
雪が降る中を「二人で濡れて行こうや」「うん」と、
肩をすぼめた二人を蝶子のショールで包み歩き去って行きます。
日本映画屈指のラブ・シーンだと勝手に思っています。
恋愛小説、大好きな僕です。

by あるいる (2014-08-19 15:53) 

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