So-net無料ブログ作成
検索選択

あわれ    [考え方]




9月下旬に富良野方面を旅したとき、ふと迷い込んだ森に発見した観光スポット。
まさに、森を抜けると川があり、木の間から、その奥の方に橋らしき物が見えた。



DSC06337.JPG

道路沿いに何台かの車が止まっていて、何だろうと、好奇心を出して我々も森に入った。
「けものみち」という程度の細い道が続いていて、倒木をまたいで進んでいく。
石碑があったりするのだから、観光スポットなのかも知れない。




DSC06336.JPG

建立後78年、水没後60年、そういう話になる。
開拓、開発の勢いで、人工的に風化させられたのだろうが、あわれな話である。




DSC06332.JPG

遠くから見る限り、もしかすると風情があるのかも知れない。
あるいは、絵になるのかも知れない。




DSC06338.JPG

しかしながら、レンズで近づいて見ると、なんとも、あわれに思うのだった。
まだ使えるのにと、なんで無駄に放置してしまうのかと。
ビジョンの設計ミス、それだけのことなんだけど。

我が身にかぶせて、あわれにおもう。
オレの有効利用をしてほしい、したい、してくれない?
強引な風化がオレにも始まっているのだろうか。


2ヶ月前に見た、水没する時期に顔を見せている「橋」のことを思い出している。



ファイト!





わからない   [考え方]




わからない。
そう思ったのが「パンダショップ」だった。



阪急「王子公園」駅前、動物園の向かいにその店がある。たしかに神戸市立王子動物園の売りは「ジャイアントパンダとコアラを 一緒に見ることができる日本で唯一の動物園」だそうで、パンダと言えば上野と思っている古い頭には、馴染みがないのだった。・・・パンダ。


パンダショップ
曰く、おみやげ、ぬいぐるみ、ファンシー文具、袋物と。
狛犬のように「対」になった片方のパンダを見ると、何でパンダか分からない。




DSC07127.JPG

片方のパンダには、銃砲、火薬とあり、K.K.王子銃砲火薬店とある。
全く結びつかず、横尾忠則美術館へ向かいながら、しばし呆然と眺めたのだった。
パンダと銃砲、火薬がどうしても結びつかない。

神戸市だから、組関係の方もこういう場所で調達されるのだろうか。
強引に考えようとしても、動物園の向かいで、なぜ銃砲、火薬の販売なのだろうか。
おまけに店のマスコット・キャラクターが、パンダである。


ファイト!





YOU は何しに   [仕事]




YOU は何しに北海道へ?

DSC078212.JPG




散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ
                             (細川ガラシャ)


DSC07818.JPG

潔くありたいと思う心の歪みなのだろうか、私は子どもの頃から、終わり方が上手くない。上手く終わりたいと、否、潔くあれと、妙に叩き込まれたからか、感覚がずれてしまう。自分は歪みを持ったまま、生きているのだろうかとも反問する。いい年して、素直にもなれないのが失敗であろうか。

昨日の北海道新聞のコラムで原節子の早過ぎる引退に触れ、最後はガラシャの辞世の句で結ばれていた。こういう句を見て、花は桜木ひとは武士と、余計なことまで思い出してしまう。オレは何をしているのだろうかと、思うのだった。「YOU は何しに北海道へ?」と、初志を思い出そうとするのだが、思い出せない。オレって今、挫折してるのかなと、少しばかり揺らいでいる。

きっと今の仕事が嫌になってしまったんだろうなと、気づき始めているのだ。
それを解決するための秘策は、読書への逃亡である。





YOU は何しに札幌へ?

DSC07822.JPG

テレビ東京がマトモな番組を連発していると思うのだが、その中で、「YOU は何しに日本へ?」は、娯楽番組としては上等だと思う。毎週欠かさず録画して、倍速で見ている。ガイジンの素顔との意図せぬ出会いや、予測不能の反応や、巧まざるユーモア、そして感情の起伏に対する失礼さもなく、ディレクターの純情さが良い。

いつもは空港で見かけるはずなのに、なぜか、札幌駅で取材していた。ちょうど壊れたカメラを買い換えたところだったので、試作品として写した。テレビには映らない彼(インタビュアー)が、なかなか爽やかな感じで、しかも指が細くて素敵に思えたのだった。しかし、何しに札幌か分からないので、番組を待つしかない。


ファイト!




ゆべし   [味]




死せる孔明、生ける仲達を走らす
(すぐれた人物は、死後にも生前の威力が保たれ、生きている者を恐れさせることのたとえ。)



「不肖」などと我が娘を謙遜する気は毛頭ない。
その尊大さが気に食わないのだと言われそうだが、娘は宝物だもの謙遜などしない。
矢沢は成り上がりだが、私は思い上がりで生きてきた。・・・これでいいのだ。

次女が、長きにわたり打ち込んできた「水泳生活」の引退をソフトランディングさせた。
そして、すでに次女の「東京生活」が始まっている。
祖母(妻の母)と同居し、新しい職場での研修が始まっている・・・ようだ。

「死せる孔明、生ける仲達を走らす」と、ふと思ったこと。
市川市民となったにもかかわらず、お菓子が当たり、札幌の拙宅に届いた。
本人不在でもこうして「当たる」なら、もう少し延長して貰いたいと、強く強く思うのだ。


すでに居ないことは内緒に次女様ご当選

DSC07805.JPG

ちょうどおやつに困りかけた所だから、この当選は大きかった。
妻と仲良く、包丁を持つ妻が二つに分けて、いいフーフしながら食べる幸せだ。



DSC07806.JPGDSC07810.JPG

左の「ゆべし」は初めて食べるものだったが、おもしろうて、やがて美味きものだった。
右の饅頭は、もちもちしていて不思議な感触だったが、これも美味しかった。
送ってくれた店は福島県の「かんのや」という店だった。

「かんのや」さんは歴史があるようで、そのHPに曰く。
1860年に菅野文助が「菅野屋」を名乗り、今に伝わるゆべしづくりを始めました。

幕末の開業の店、幕末ファンにとっては意識してしまう。
福島県の店なら応援しなくちゃと、上品組の宝塚の叔母に送ることにした。

ゆべし、初めてにしては、奥が深く、くるみゆべしがまた何とも言えず絶品。
いよいよオレも老域に突入だなって、和菓子に足を踏み入れている。



ファイト!





高邁なる野心の居た北海道   [旅]




札幌のこの時期では、62年ぶりの、40センチ以上積雪と、全国ニュースで言っていた。
自分が生まれる前以来ということで、あーそーか、と思った。



DSC07803.JPG

雪に憧れて初めて北海道に来たのは昭和49年の年末だったと思う。それ以降、何度も来ることになるのだが、いつでも真冬だった。最果ての地の厳しさに、その地の開拓者精神に憧れて、恋い焦がれたのだった。まさに憧れの地には、厳寒が似合うぞ、しばし待て石川啄木よ、われも同じ。
石をもて 追はるるごとく ふるさとを出でしかなしみ 消ゆる時なし   (一握の砂/石川啄木)

北海道の教員採用試験は、一次試験を東京で受けることが出来た。二次で札幌に来て、初めて雪のない北海道を知った。よせばいいのに、そのまま流浪の旅を始めてしまった。すぐ金に困って、滝川でスナックの雇われマスターをした。食欲の秋を満たす季節を、水商売も良いかなと思いながら、「防犯」の踏み込みも経験し、なかなか怖い思いもした。


優しさと哀しさと諦めに満ちた北海道が、とてつもなくすきである。どうしようもないくらい正直で素朴で、優しくする以外に生きていけない北海道の人たちが、すきになっていった。クラーク博士が偉大なのではなくて、その彼に従った純朴な若者の魂が偉大なのであった。

物質の貧困よりも、このような精神の貧困ほど陰惨で、みじめきわまるものはない。 そこで先生は泣きだしたいほどがっかりして、学生の本分とは何か、とか、学校の精神は何か、もっと正々堂々たれ、惨めであるな、高邁なる精神をもて、そんなことを口走りたくなるのであった。   (坂口安吾『勉強記』)


北大水産学部が函館にある。その前庭に石碑があって、「高邁なる野心」と記されている。高邁なる野心とは、W.S.クラーク博士の残した lofty ambition の訳だ。そして、しかし、思うのだ。過剰暖房の現在、「高邁なる野心」の輝きが、北海道には薄れ始めているのではないか、と。



豊かな時代に入っても、「高邁なる野心」を持続することは出来ないのだろうかと、思うのだ。


オレも北海道も、日本も負けるな、ファイト!





あなたは来ない雪が降る   [日常]




さすが中山峠だ雪が積もっていると、行楽終了気分だった。
あ~、ええ湯やったなぁー、としみじみ、ちびちび、ほろ酔い送迎バス。


DSC07719.JPG

C国の、喧しい観光客も、ハーグには出向かないではしゃいでいる。
C国の方々が「わナンバー」「れナンバー」のレンタカーにて、スリップしないかなぁ。
お騒がせの方々だから、そばに寄らず、静観あるのみ。


DSC07722.JPGDSC07718.JPG

やっぱりね、おじさんは古いよってに、小野伸二のサイン近くの席に座る。
コンサで、ろくに出場しなかったゴン中山は引退して、またどこかで復活したけど。
稲本も、奥さんの方が地方局で活躍中だけど、それでもコンサドーレ札幌を応援するんだ。




012.JPG

峠の雪をおもしろがっていたら、平地でも積雪だ。
昨日は、慌てて出勤し、冬靴ではなかったから足元が心配だった。
今日はしっかり、冬用の靴で出勤だから、自信たっぷりの、雪を踏みしめて歩く。



期末試験や、頑張るで、おっさん。・・・ファイト!




とーやペット   [趣味]




次女プレゼントの、宿泊したホテルの趣味嗜好は興味深く、オシャレで気が利くものだった。
屋上、展望露天風呂の、野趣を排除してしまった豪快さも好きだった。
自然の趣は全て洞爺湖に凝縮されていて、人工的なプール状の露天風呂が気に入った。


m1.jpg





しかし面白かったのは、1階(傾斜を利用してLBの下の階)にあるペットフロアである。
そして小型ながらも、しっかりとドッグ・ランが屋外に用意されている。
また、各部屋の前庭にはベランダからそのまま出られ、芝生を味わえるようになっている。

DSC07510.JPG

掃除中の部屋を覗かせてもらったけれど、これは大型犬と一緒に泊まる部屋であろう。
小型犬用はこの部屋の半分ほどであるが、なかなか贅沢な趣である。
大型犬を連れて、小さめのスイートルームで過ごすようなもので、旅を満喫するだろう。

しかしと思うのは、こうなれば一緒に風呂に入りたいやん、ということ。
あるいは、一緒に食事もしたいやん、ということ。
少子高齢ペット増加傾向のニッポンでは、ペット大サービス付きリゾートも、あるのだな。




もちろん私は、屋上露天風呂と、星があれば、夜でも妄想時間を過ごせたのでした。
リフレッシュの後は、積雪と降雪の中を、出勤タイム。


ファイト!




乃の風リゾート   [温泉]




洞爺湖は子どもを連れてキャンプをする場所だった。
キャンプも3~4泊が常で、観光船にも乗ったしモーターボートで島巡りもした。
しかし、ホテルに宿泊するのは今回が初めてだったと思う。

今までの温泉宿泊とは違い、強迫観念のない、ただひたすらノンビリしたものだった。
ビールを飲み過ぎると蕁麻疹が出ていた私だが、そういうこともなかった。
妻に言わせると、お金の心配をしなくて良いのが助かる、というのも一理ありか。


DSC07712.JPG

9階に大展望浴場があり、ガラス越しのパノラマを眺望できる。大浴場の一隅に螺旋階段があって、屋上露天風呂に至る。連泊の強みは、人が来ない時間帯を調査できることで、露天風呂と湖面が一体化した光景を、独り占めして楽しむことができる。心地よい溜め息が清々しい。




DSC07433.JPG

朝食時間をずらして、ひたすら遅めの行動をとれば、洞爺湖と中島、遠く羊蹄山を眺めながら、珈琲とぜんざいと妻とのさほど重要でもない会話が楽しい。わたしら蝦夷版、夫婦善哉でおます。ちょっと人生をサボって、追い立てられることもなく、景色を吸い込む。うふふ。




DSC07496.JPG

午前11時から午後3時までは風呂も掃除タイムでお休みになる。だから湖畔の散歩を楽しむ。ふたりで歩いたのは9996歩。おとなりのホテルも調査して、カラカミ観光さんは庭造りに凝っていることを知る。こちらの借景も宜しく、しばらく腰掛けて眺めさせて貰う。そして、お土産コーナーでキャラメルを買い、後ろめたさをなくす。


運動能力も低下し、自分に対する失望も多いのだけど、こうして、ただノンビリなんて、かつては出来ることではなかった。そんなことが、出来るようになったんだと、変化を感じたのだった。



ファイト!




洞爺湖温泉「乃々風リゾート」   [温泉]




温泉なんて年寄りの好む所だぜ。奴は冷たくそう言った。
そんなことを言われても、やっぱり温泉が好きだ。
ボクたち温泉が好きで、新婚旅行の第一弾には南紀白浜を選んだんだ。

温泉って、凶暴性を持ったサルですら、うっとりするんだ。
おまけに娘から、ありがとう、感謝ですと言われて封筒を渡された。
洞爺湖温泉2泊、楽しんでおいでと言う、ワクワクする話ではないか。

年寄りになっても、温泉が好きだ、ボク。



DSC07311.JPGDSC07335.JPG

送迎バスに乗って、飲酒して、運転される楽チン加減。
本を読み、景色を眺め、妻を見て、飲む、そういう時間ですら楽しい。
やっぱり北海道は、蝦夷富士と利尻富士、近場は蝦夷富士こと羊蹄山、美しい裾野。




DSC07410.JPG

全室、湖に面した部屋で、この景色を独り占めできる贅沢が嬉しい。
そんなことも全て金で済むにしろ、娘がリッチでないことを知るのだから、ありがとうの量産だ。
もう飲むしかないのだが、まずは露天風呂、そしてB、入ってはBの繰り返し。




DSC07376.JPG

リゾート地に来てせかせかするのはみっともない。
そう思いながらもせっかちに入浴、B、散歩、B、読書、B、はい、夕陽が綺麗だね、B。
それでもやっぱり、ひとつの景色が変化していくのを眺めている。




m1.jpg
露天風呂/TEN QOO (天空)

風呂場は写真撮影禁止だったからHPより拝借したけれど、最高に気分の良い露天風呂。
もちろん「普通の人」が来ない時間帯には、独占スイム・タイムになる。
夜中には星空を見上げて、ひと汗の後のBを考えるだけで、発汗快感、随喜。

ほどほどに、たっぷり汗をかき、B、のんびりして、B、自分が温泉人間だと再確認。
何をしたと言うわけでもなく、よく食べ、よく浸かり、よく飲み、よく楽しみました。



ファイト!




『シューカツ』   [読書 本]




あ、それ私2回読んだ、と次女が言った。
図書館出張所の「本日返却分」の棚にあった、『シューカツ』という本である。
少しばかり気になるタイトルで借りたのだが、しかし作者の石田衣良は嫌いだった。

直木賞作家にエラそうには言えないが、ふんわりと優しげに装う姿勢が気に食わなかった。
ずっと昔、受賞後だと思うが、銀座に構えたご自身の事務所で対応する、その姿勢に反感。
「文士たる者」と、作家に気骨を求める無頼派志向の私には、許せない軟弱姿勢だった。

作家は作品で判断しろ、内なる声が聞こえ抑制するのだけど、生理的反感は消えない。
何を狂ったかテレビに出まくり、無知をさらけ出し、漢字も言葉も知らない。
えっ? それでアンタ小説家でっかいな、とずっと思い、偏見は傾斜を深める。


『シューカツ』 石田衣良/文藝春秋 (2008年10月10日 第1刷発行)
51wppTj3DoL.jpg

p40
「えー、非正規社員の生涯賃金は一億円に届きません。九千七百万くらいかな。それに対して、大企業の正社員なら、まあ二億から二億五千万円はいきます。同じように六十歳まで働いて、倍以上の差がつくのです。みなさんも来年の春には就職試験を控えているわけですが、新卒のゴールデンチケットをしっかりとつかみとってきちんと就職してください。日本ではチャンスは実質一回きりしかないのです」
 ざわざわしていた階段教室が、生涯賃金の話になったとたん静まり返った。
こういう試算はよくある。そして、だから大企業だ、できたら公務員だと、おじさんは子どもに期待してしまう。しかしながら、拓銀もつぶれたし、山一證券もないし、国鉄も解体し、ソ連も崩壊した。江戸幕府だって消えてなくなってしまったではないか。未来永劫、つづき続ける「絶対安心」はないわけで、これだけ変化が加速している時代なら、変化への対応能力を高めて、あとは悔いのないように、心の声に従うことだ。次女よ、そのうえで、将来の設計を作るのだね。お父さんは応援しているよ。ファイト!



p227
 目をあげると厳しいほど澄んだ冬空のした、一次面接の会場になる多目的ホールの屋根が三角形にとがっていた。
こういう気取り先行の文章が好きになれないのでした。雰囲気を出したいのはわかるけれど、「厳しいほど澄んだ冬空」がよくわからなくなってしまう。「下」を「した」と表記したことも、不明。ときどき、集中力を欠いたように、こういう文章が登場し、混乱する。



p304
千晴が選んだのは、良弘の番号だった。男子学生がでると千晴は叫んだ。
3~4回こういうことをしてくる。主人公が落ち込んだりして、思いを寄せてくる良弘に携帯で電話を掛けるこのシーンも、「良弘」を「男子学生」に変える理由がわからない。『羅生門』をつかって、小説基礎を教えているときも、「下人」が「一人の男」に表記が変わるる。こういう、人物の呼び方を具体から抽象に変化させるのは理由があって、場面転換の暗示や、緊張感作成や、「登場人物を突き放して客観的観察を加える」などだけど、石田氏の作品で、そういう効果が深読みできない。ただ、錯乱とは言わないが、集中力の低下があり、好まない癖である。



現在、心理的に、青春小説を求める時期だから、「うん、おもしろかった」という感想かな。まあ、エピローグなどは鼻持ちならない石田氏らしい気取りだったけれど。まだまだずっとずっと、ピース又吉の『火花』のほうが作品レベルは高い。活字の漫画を読んだ、というところだろう。コミックの時代に好まれる作家なのかもしれない。以上、オシマイ、の石田氏でした。

あーあ、「口直しに」と、同じ直木賞でも違いを見せる東野圭吾に戻ることにしよう。
午後の札幌は雪。


ファイト!